2020.7.21 火曜日

【CBDについて一緒に考えよう】第6回「CBDを取り巻く世界情勢」その1

前回、アメリカの少女、シャーロットちゃんの話をしました。彼女はドラベ症候群という酷いけいれんを伴う疾病にかかっていましたが、CBDを服用することで1日に数百回起きていたけいれんがおさまり、体調が回復していきました。彼女の事例がCNNで全米に放送されたことがきっかけで現在のCBDブームがはじまりました。2013年のことです。

大麻の有効成分についての研究は、1990年代から急速に進んでいきました。その科学的な裏付けが、CBDブームをささえているといえます。それまでは、陶酔成分であるTHCに多くの関心が寄せられていたため、CBDの有効作用についてはあまり光があたりませんでした。もちろんTHCも重要な有効成分ですが、その陶酔作用を嫌うひともおり、特に子どもへの使用を躊躇するケースは少なくありません。陶酔作用のないCBDが、小児てんかんを伴うドラベ症候群に有効であるということは、患者とその家族にとって福音でした。

さらにCBDが実用化された背景には、もうひとつの幸運があります。それは、農業法の改正により、ヘンプと呼ばれる産業用大麻の栽培が盛んに行われ始めたことです。アメリカでは、THCが0,3%以下の大麻をヘンプ=産業用大麻と定義しています。そして、ヘンプの品種には、CBD濃度が高いものが多くあります。そのためヘンプからは、繊維や種だけではなくCBD成分も抽出されます。しかも、アメリカ国内ではヘンプやヘンプ加工品は合法のため、ヘンプから加工されてできたCBDオイルは、合衆国のどこへでも合法的に出荷することができます。さらに、ヘンプがアメリカ連邦法で合法となったために、金融機関や投資家たちは、安心して事業への投資をはじめました。これによって、全米でのCBDビジネスは一気に加速していきました。

そして現在、アメリカから始まったCBDビジネスは世界中に広がり、そのことが世界を医療大麻合法化のトレンドへと推し進めているのです。