2020.8.4 火曜日
【CBDについて一緒に考えよう】第8回「CBDを取り巻く世界情勢」その3
2018年12月20日、トランプ大統領は「農業政策法案」を承認する署名を行いました。4年に一度見直しが行われるこの法律は、農業に関する規制の緩和や低所得者への食糧の分配など、幅広い分野の法案が盛り込まれています。その中で2018年の法案では、「THCが0,3%以下の大麻草は産業用大麻=ヘンプと見なす」ということを認めたのです。
それまでアメリカ連邦法では、大麻草はすべて「マリファナ」として禁止してきました。しかしこれによって、陶酔成分であるTHCが0,3%と低い品種については規制をしませんよということになったのです。ヘンプからは、繊維や種や建材などを合法的に作る事が出来るようになりました。そして、ヘンプの中にはCBDをたくさん含んだ種類も多くあります。そのため、ヘンプであれば合法的にCBDをつくることも合法となったのです。2018年までの4年間は、この法案のための試験期間として、いくつかの農家がヘンプを栽培していました。しかしその間は、連邦法がグレーゾーンだったために、銀行からの融資や口座すら開くことができない農家も多くありました。しかし、この法案が成立したことにより、銀行だけではなく、多くの投資家たちからも資金が入り、CBD用のヘンプ農家や関連事業が急速に成長しはじめたのです。
いままで違法性がとりざたされてきたCBDですが、農業政策法案や前回お話したWHOの採択などにより、2019年の世界情勢は大きく変わってきました。そして今年、国連によって大麻やヘンプを規制している「麻薬に関する単一条約」が変わろうとしています。日本も加盟しているこの条約が改定されると、アメリカ連邦法と同様に国際条約でもヘンプの規制はなくなります。すると、いよいよ日本でも本格的にCBDが広く流通され、利用されるようになると考えられます。
CBDを取り巻く情勢を見るためには、大枠でもいいので国際的や視野で法規制などを把握していた方が理解できます。次回は、「CBDを取り巻く世界情勢」の締めくくりとして、大麻やヘンプを規制してきた「麻薬に関する単一条約」という国際条約について、お話しようと思います。