2020.8.11 火曜日

【CBDについて一緒に考えよう】第9回「CBDを取り巻く世界情勢」その4

大麻やヘンプを規制している国際条約があります。「1961年の麻薬に関する単一条約」がそれです。

この国際条約の前身は、「万国アヘン条約」です。万国アヘン条約は、20世紀の初めに、清(中国)とイギリスの間で起きたアヘン戦争をきっかけに、国際間での麻薬の動きを規制するために生まれました。この条約は、アヘンを禁止するためのものでしたが、アメリカの強い要望により大麻も禁止されることになりました。その後、国際情勢の変化によって修正が加えられながら、現在では「1961年の麻薬に関する単一条約」という名前の条約として存在しています。

この中で大麻やヘンプは、「依存性が高く、医薬品としても使えない物質」というカテゴリーに入れられています。しかし、2018年にWHOは、大麻や大麻樹脂は医療にも使用されており、副作用の少ない物質であるという新たな見解を示しました。これによりWHOは、CBDを規制の対象外とし、THCの含有率が0,2%以下のCBDオイルについても、規制の対象外としたのです。この見解の変更によって、国連が主導している「1961年の麻薬に関する単一条約」との間に内容的な齟齬が生じたため、WHOは国連に対し、CBDやヘンプについての条約内容の改正を求めました。そして国連は、日本を含めた50以上の加盟国に呼びかけ、現在、WHOの改正案を受け入れるかどうかの調整を行っています。国連は、今年中には結論を出したいとの強い意志をしめしています。

これによってWHOの改正案が認められると、国際条約も大きく書き直され、CBDやヘンプ由来のCBDオイルやその他のヘンプ由来の医薬品を扱うことができるようになります。ただし、日本の大麻取締法では、大麻を医療用として使用することは禁止されているため、法律を変えるか運用を変える必要も出てきます。

いずれにしても、国連の動きによっては、日本でもますますCBDが脚光をあびることは間違いないでしょう。