2020.8.18 火曜日

【CBDについて一緒に考えよう】第10回「CBDは何に効くのか? ひと編」その1

CBDには、どのような効果があるのでしょうか。この連載の第2回目で僕は、CBDは、内因性カンナビノイドが欠乏している部位を正常に戻すだけではなく、内因性カンナビノイドの量を調節する作用があると述べました。これは、CBDが内因性カンナビノイドを分解する酵素の力を弱めるためだといわれています。つまりCBDは、体調全般を整えてくれると考えてよいでしょう。

では、CBD単体ではどのような効果があるのでしょうか。

もっとも研究が進んでいるのは、てんかんに対してです。ドラベ症候群を患っていたアメリカのシャーロットちゃんも、重い小児てんかんの発作に苦しんでいましたが、CBDを使用することで軽減されました。これをきっかけに、多くの小児てんかんの子どもたちがCBDによって救われています。さらに、イギリスの製薬会社であるGWファーマシューティカルズが、小児てんかんを引き起こすドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群の治療薬を開発します。エピディオレックス(Epidiolex)という名のこの薬は、CBDによる医薬品です。アメリカでは2015年に治験が開始され、2018年6月に承認されました。エピディオレックスは、アメリカ連邦政府が承認した、初めての大麻由来の医薬品です。

日本でも2019年3月、秋野公造議員が参議院において、「エピディオレックスが米国で承認を受けたことで、国内で治験を行うことが可能か」と厚労省に質問したところ、「限定して可能」という答弁を引き出すことができました。これにより、てんかん拠点病院である沖縄赤十字病院と、神奈川県の聖マリアンナ医科大学病院で、CBD成分による医薬品の臨床試験が始まったのです。

CBDは、民間で使用される安全な物質であると同時に、優れた医薬品の成分でもあるのです。そしてCBDは、小児てんかんだけではなく、幅広い効果があることが分かっています。