2020.10.28 水曜日

茂木千恵先生に聞く 「ちょっとだけ専門的なアニマルCBDのお話」 その3 CBDを使用した症例とCBD製品について

アニマルCBDは、どのような効果があるのだろうか。具体的な症例や使い方、使用上の注意点は?どんなタイプのCBD製品があるのだろう?おすすめは?
今回は、はじめて使いたいひとたちが知りたいことを、先生にあれこれ聞いてみました。

 

CBDは日々の不調に広く穏やかに効く

長吉(以下N):犬や猫には、主にどのような症状に対してCBDを使用しますか?

 

茂木(以下M):アメリカの調査によると、不安に効果があると思い、CBDを使用する飼い主が多いようです。しかし、CBDが動物の不安に効くという研究は未だできていません。これは、犬の不安を客観的に表現することが難しいからです。しかし、今までの私が携わった70頭ほどの犬と猫へ投与した印象では、CBD投与後に眠ったりおとなしくなる効果は、多くの犬にも認められました。

恐らく、消化器官の調節にも関わりがあるだろうと思います。消化器官への効果はひとの分野でも報告されていますが、犬もこれまで使ってみて、ひどい下痢が止まっているので、その可能性は高いですね。

その他に実証されている効果としては、痛みやてんかんがあります。

 

N:その中でも興味深かった事例はありますか?

M:改善されたという症例が多く見受けられます。

これは、カンナビノイドシステムが表皮の免疫バリア機能を調節しているからだと考えられます。

それとやはり、痛みについては有効です。患部にCBDのトピカルクリームを塗ったところ1時間後に痛みがとれ、歩けなかったのが動けるようになったという例があります。しかしこれは、患部を治癒したのではなく、痛みが発生している過剰な神経反応を緩やかにしたのだと思います。とはいえ、痛みがとれると動き回る可能性があり回復が遅れる場合もありますので、注意が必要です。

また、いつも寝ないのに、CBDを投与後に10分で寝たなどの即効性も多く報告されています。

しかし、動物レベルでは改善していても、飼い主さんが気づかない場合も多々あります。そのため、観察しながら使用することが大切です。

あたえる量も、代謝能力や体調によって調整が必要です。状況や体調によって異なり、同じ量で効くことはないので、少量から始めて観察しながら与える量をキープしていくようにしてください。また、CBDは油に溶けるので、投与しなくなっても3~4週間くらい血中から消えない場合もあります。穏やかに効いていきますので、じっくりと長く投与を続けてほしいです。

 

タイプいろいろCBD製品。でも人間用CBDは使っちゃダメ!

 

N:動物に使うときの大切な注意点は何かありますか?

M:入手しやすいからといって、人間用を使わないことが大事です。人間用のCBD製品は、濃度が高く設定されていて、ペット用ではありません。また、人間用にはリラクゼーション効果を高めるために、エッセンシャルオイルやアルコールなどが入っている場合もあり、犬が中毒症状を起こす可能性もあります。

その一方で、動物用のCBD製品は人間用のCBD成分に変わりはありませんが、ペットが好むように、例えばベーコンフレーバーがついているものもあります。食べやすくしてあるので、投与も容易でしょう。

N:なるほど。人間と犬では体の大きさも違うし、なによりもアルコールなどがはいっているものは絶対に使ってはいけませんね。これは十分に気をつける必要があります。

では、動物用のCBD製品について教えてください。用途別に使いやすいものなどがあるのでしょうか?

M:一番使いやすいのは、オイルタイプですね。

濃度の調節がしやすく、好きな食べ物に混ぜることができます。

食べ物に混ぜずに、CBD単体の製品を与えたほうが吸収はいいですが、嫌がって食べない場合もあります。なので、好きな食べ物にオイルを混ぜた方が、結果的に吸収率もいいし、食べやすいでしょう。

ただ、製品の形態は違っても、CBDの効果に違いはありません。

また、飼い主さんへの噛み癖や攻撃性のある犬にはビスケットタイプのハードチュウが適しています。近づくと噛んだり吠えたりする場合、遠くから投げ与えるなどするのがよいでしょう。

噛む力が弱くなった犬や小型犬には、Treatiblesという会社が出しているソフトチューが使いやすくていいと思います。これも、効果はオイルタイプと変わりません。

皮膚に塗る、経皮吸収タイプもあります。これは、傷んでいる場所に効くというのではなく、皮膚を通して血液中にいれます。食べ物を小腸から吸収した場合は、「バイオアベイラビリティ」といって、肝臓で代謝を受けてが利用できる量が減りますが、経皮で吸収すると体が利用できる量が減らないので、少量を塗っても効果があります。食べさせるのが困難な動物は、それを耳に塗ることで、同効果が望めます。

前述の、痛みが消えた症例で使用したCBDトピカルクリームも吸収性の高いものなので、塗った場所の痛みを和らげるだけではなく、CBDが血中に入り全身を巡ります。

バームという、肉球などのささくれ立った皮膚をしっとりさせるものもあります。これは吸収させるのではなく、傷んでいる表皮を修復させるものです。

また、人間用だと鼻から吸入するタイプがありますが、犬はその方法を嫌がりますので、行動学的におすすめではないです。しかし、てんかんなどの場合には、吸入させて発作を止める場合もあります。

N:今後、動物用CBDはどのようになっていくのでしょうか?

M:法律の問題もありますが、今後、CBDの研究が医学的に進むと、手術にも使えると思います。また、手の施しようがなく、これ以上の薬の投与も出来ないという状態では、最期の時までの生活の質を向上させるためにCBDの需要が高まる可能性があります。

CBDは健康面だけではなく、生活の質も向上させてくれるのです。

そして、使い方さえ誤らなければ、効果や効能が広く大変有用なものです。

今後皆さんに、私の経験や、アニマル研究会における症例や最新の研究論文などをもとに、使用量や方法などの実用的な情報をお伝えできればと考えています。CBDを効果的に使用した幸せなペットライフに役立てていただけたらと思います。

 

N:CBDを使って、ひとも動物も幸せな生活を送りたいですね。

先生、どうもありがとうございました。