2021.7.28 水曜日

カンナビジオール (CBD) の犬および猫に及ぼす行動学的影響:オープン臨床試験

日本補完代替医療学会誌に当研究会の茂木千恵獣医師と福山貴昭氏の論文「カンナビジオール (CBD) の犬および猫に及ぼす行動学的影響:オープン臨床試験」が掲載されました。
「カンナビジオール (CBD) の犬および猫に及ぼす行動学的影響:オープン臨床試験」

茂木 千恵福山 貴昭

著者情報
  • 茂木 千恵 [日本]ヤマザキ動物看護大学大学院 動物看護学研究科動物看護学専攻 [日本]
  • 福山 貴昭 [日本]ヤマザキ動物看護大学 動物看護学部動物看護学科 [日本]
抄録

カンナビジオール(CBD)は大麻植物に由来する植物性カンナビノイド化合物であるが,テトラヒドロカンナビノールが有する精神活性作用は有していない.近年,CBDは医療および獣医医療における緩和な抗不安薬,抗てんかん薬,および鎮痛薬として注目されている.一方,CBDの犬および猫における行動学的影響はほとんど調査されていない.本研究では診断症状ごとに8頭の犬と4頭の猫を対象に非盲検試験を実施し,CBD製品の忍容性,安全性,および有効性や有用性について検討した.試験では葛藤関連,恐怖関連,反復的または自傷行為などの問題行動を伴う犬および猫に8週間,CBD成分として1回当たり0.15-0.85 mg/kg を1日2回,空腹時に経口投与した.行動症状は,試験開始前(0日目)および2週後(14日目),4週後(28日目),または8週後(56日目)に評価した.有効性は,獣医師による観察結果および飼育者の満足度により検討した.CBD製品を8週間継続投与した12頭の動物のうち,4例の異常行動の発現量が75%以上減少し,6例が減少した(50%±25%)と評価された.

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カンナビジオール (CBD) の犬および猫に及ぼす行動学的影響:オープン臨床試験 (jst.go.jp)