2020.6.12 金曜日

【CBDについて一緒に考えよう】第2回 「CBDってなんだ?」その2

前回、僕たちの身体の中でも、ヘンプの有効成分と同じ作用をする物質がつくられているとお伝えしました。CBDも含めたヘンプの有効成分を総称して「カンナビノイド」と呼びますが、それと同じ作用をする物質が、常に体の中で作られているのです。この物質のことを「内因性カンナビノイド」とか、「エンドカンナビノイド」と呼びます。

ところで、人の脳は、脳神経細胞の興奮によって情報を処理します。そして、脳神経細胞は、体内で作りだされた化学物質によって刺激され、電気的な興奮が起こします。この化学物質のことを神経伝達物質といいます。

神経伝達物質でよく聞くのは、アドレナリンやドーパミンですが、内因性カンナビノイドも神経伝達物質のひとつです。この内因性カンナビノイドは、脳だけではなく、身体中の様々な場所に効いていきます。前回、CBDが鍵だとすると、それで開くことのできる受容体と呼ばれる鍵穴が体内に無数にあると話しましたが、内因性カンナビノイドも、同様に作用します。

内因性カンナビノイドは、CBDとともに、陶酔成分でもしられるTHCと同様のものもあります。この二つの成分を含めた内因性カンナビノイドを、自らの体内で作り、それを身体中の受容体に作用させることによって、僕たちは免疫や血管、臓器や筋肉や骨など、あらゆる部分を正常に保ち、健康を維持しているのです。

しかし、内因性カンナビノイドが慢性的なストレスや老化などの原因で正常に分泌できなくなると、身体のどこかの部分が上手く機能しなくなります。すると、その結果、疾病などの何かの不具合が生じ、健康を維持できなくなるのです。では、どうしたらいいのでしょうか。

ヘンプの有効成分であるカンナビノイドは、体内から分泌される内因性カンナビノイドと同様の作用があると僕はいいました。そうです。内因性カンナビノイドが正常に分泌しなくなった場合には、カンナビノイドを摂取すればいいのです。もちろん適量の良質なカンナビノイドでなければいけませんが。そして、THCにも薬効はありますが、現在、日本では使用ができません。そこで、日常の健康維持のために、CBDが注目されるようになってきたのです。CBDは、内因性カンナビノイドが欠乏している部位を正常に戻すだけではなく、内因性カンナビノイドの量を調節する作用があります。そしてそれは、体内で生成される健康物質同様のものです。

つまりCBDは、日常の健康を維持することをサポートする、天然由来の安全な有効成分であるといえるでしょう。

長吉秀夫 作家
1961年、東京都生まれ。舞台制作者として、内外の民俗音楽・舞踊やロックと出会い、全国津々浦々をツアーする傍ら、ジャマイカやインド、ニューヨーク、ツバルなどを訪れ、大麻や精神世界、ストリート・カルチャーなどを中心にした執筆を行い、現在に至る。著書に『大麻入門』(幻冬舎)、『医療大麻入門』(キラジェンヌ)、『健康大麻という考え方』(ヒカルランド)『大麻』(コスミック出版)などがある。