CBDとは

CBD(カンナビジオール)はヘンプ(カンナビス・サティバ)から抽出される天然成分フィトカンナビノイドの1つ。CBDには医学的に様々な症状に効果があることが数々の国内外の論文で発表されており、海外では人、動物ともに医薬品としても利用されている成分です。

CBDは、体の恒常性を整えている体内の内因性カンナビノイドシステムを利用し、ストレスや老化で減少した体内の内因性カンナビノイドを、フィトカンナビノイドで補い、あるべき健康な状態に「整える」新しい発想のサプリメント成分です。

CBD使用症例

高齢犬のお悩み~関節痛・疼痛

高齢になると筋骨系の関節痛や疼痛などをもつ犬が多くなります。関節の痛みの原因は主に、加齢などによる一次性の「原発性」と、他の病気が元となる二次性の「続発性」とに分けられます。いずれも関節の軟骨が変形して、しだいに関節の機能を低下させ、疼痛・炎症・跛行という症状を生じさせます。これは「変形性関節症」と呼ばれ、進行性の慢性疾患です。完治は難しく、生涯付き合っていく病気となります。しかし、CBDは痛みを感じる神経系にダイレクトに作用し、痛みを速やかに取り除くことができます。
11歳雑種オスの症例では、散歩中に痛めた膝蓋骨剥離骨折で歩行ができなくなっていたところにクリームタイプのCBDを塗布後2時間ほどで、自力で階段を上り、自立排尿ができた例もあります。

行動のお悩み~分離不安・車酔い

CBDは抑制系神経伝達物質のガンマアミノ酪酸(GABA)-A受容体と相互作用し、GABA神経の作用を強め、緊張性の反応を緩和すると考えられています※1。 そのため神経過敏による分離不安や車酔いなどの症状にCBDはとてもよく作用します。
1歳ラブラドール メスの症例では、飼い主さんと離れて眠ることができませんでしたが、CBDをとらせたところ自然に一人でいることにストレスを感じないようになり、環境に順応することができるようになりました。
1歳ケリーブルー・テリア オスの症例では、車酔いが主訴でしたが、CBD摂取により不安が取り除かれ、気が付くとよだれもでず、嫌がらず車に乗れるようになりました。
※1(Bakas, T.et al., (2017). The direct actions of cannabidiol and 2-arachidonoyl glycerol at GABAA receptors. Pharmacological research, 119, 358-370.)

治療としてのCBD~てんかん

ヒトの症例では、CBDの使用により、発作の頻度と期間が減少し、CBD用量の増加に伴って抗てんかん薬の血清レベルが増加すると報告されています。犬でもCBDとてんかん薬の併用によるてんかん発作軽減が認められています※2。犬のてんかん発作のコントロールには、抗てんかん薬(ゾニサミド)およびCBDの併用により発作のコントロールを行っています。全3例では発作が起こらず300日以上が経過しています。ゾニサミド血中レベルはトラフレベル(投与前)で9から11μg/mLでした。
※2: (McGrath, S et al., (2019). Randomized blinded controlled clinical trial to assess the effect of oral cannabidiol administration in addition to conventional antiepileptic treatment on seizure frequency in dogs with intractable idiopathic epilepsy. J AVMA, 254(11), 1301-1308.)

治療としてのCBD~アレルギー

ヒトの皮膚科では、CBDが皮膚の過剰な炎症を軽減する可能性を示す研究が発表されています※3。獣医学分野では皮膚への効果について臨床試験が進行中で、昨年来の皮膚科認定医の先生方との共同研究により効果が認められました※4。
※3:(Jastrząb, A. et al., (2019) Cannabidiol regulates the expression of keratinocyte proteins involved in the inflammation process through transcriptional regulation. Cells 8.8: 827.)
※4: アトピー性皮膚炎の犬への8週間のCBD使用によって皮膚症状スコア(皮膚重症度指数(CADESI-4)の減少が  認められたことを症例報告としてJBVP2020にてポスター発表いたしました。

動物種 品種 性別 年齢 所見 評価 詳細
イヌ レークランドテリア 去勢オス 2才 特発性てんかん かなりの改善
イヌ ラブラドールレトリバー メス 13才 低温火傷 顕著な改善 詳細情報
イヌ ダックス 去勢オス 5才 抗生剤反応性腸症・アトピー性皮膚炎 顕著な改善 詳細情報
イヌ フォックステリア 避妊メス 13才 疼痛、アトピー性皮膚炎 顕著な改善 詳細情報
イヌ Sプードル オス 0才 過敏性腸症候群 顕著な改善
ネコ 雑種 去勢オス 8才 防御性攻撃行動 顕著な改善
イヌ ダックス 避妊メス 14才 疼痛性攻撃行動 顕著な改善
イヌ プードル 避妊メス 3才 てんかん様発作(MRI) 顕著な改善
イヌ 柴犬  避妊メス 2才 尾追い・自己主張性攻撃行動 顕著な改善
こちらからは症状別、使用商品別のソートが可能です

CBDを使用した症例解説動画

犬の興奮への対応にCBD

留守番が苦手(分離不安)な犬への対応にCBD

雷や大きな音が苦手なペットにCBD

さらにくわしくご覧になりたい方はこちら

獣医師等専門家向け情報はこちら

アニマルCBD研究会は、動物におけるCBD(カンナビジオール)の可能性を動物医療的に研究し、情報共有を行う、獣医師等動物医療従事者やペットに関わる専門職の方のための研究会です。会費は無料です。

アニマルCBD研究会会員になると、

【獣医師等動物医療従事者やペットに関わる専門職の方】
メンバーページにて

  • 獣医療プロフェッショナル向けCBDガイド
  • CBDに関する国内外の論文・抄録紹介
  • 卸価格での商品購入(別途取引申請が必要です。)
  • メールにて当研究会獣医師によるCBD使用方法の個別相談

【一般・飼い主の方】

  • 会員獣医学専門家向けオンラインセミナーのご案内
  • セールのご案内
  • メールにて当研究会獣医師によるCBD使用方法の個別相談(診療はできません)

など、様々なCBDをつかった獣医療に関する詳細な情報をご覧いただけます。

※すでに会員登録された方のみアクセスできます